• 初演予定の曲と、新たな録音(A. ロンパネン:「サクラ」)

    首都圏でも外出自粛要請が出され、状況が悪化する一方ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

    私は目下、ヘルシンキにいる作曲家の友人が制作中の曲を練習しています。20分近くになる予定の曲で、音数も多く、さらに即興の箇所もあります。現在3/4あたりまで出来上がっていて、最も難しそうなクライマックスの部分がこれから送られてくる予定。

    最近、その同じ友人が3年前に作曲した、短いピアノ曲を録音しました。

    彼の友人の娘さんがサクラちゃんという名前で、彼女が生まれた際に書いた曲だそうです。桜の写真は、私が近所の公園で撮影しました。
    CD録音ではなく、自分の機械での簡単なものですが、今の時期に合った映像と共に聞いてみて下さい♪

     

  • ウィーンでの演奏会が終わりました

    3日間にわたるウィーンでの演奏会が終わり、先日日本に帰ってきました。

    2週間弱の滞在でしたが、仲間と一緒に演奏し作品について語り合い、音楽を作り上げていく作業はとてもとても楽しいものでした。

    語りかけるような優しい旋律から、渾身の演技と共に激しい超絶技巧まで披露してくれたアンナ、その振付・演出を担当してくれたヘザー・タン。
    素敵なアオザイ姿で、たくさんの難曲を持ち前の芯のある音色で多彩に生き生きと表現してくれた齋藤志野ちゃん。
    オーガナイズしてくださったレナード先生、今回初挑戦の自作自演作品を丁寧に添削してくれた作曲家のアリ、忙しい中いらして下さった方々、本当にありがとうございました。

     

     

    演奏会の翌日にウィーンを発ったそのわずか2日後、コロナウイルスの影響で楽友協会や国立歌劇場など、100人を超える人が集まるオーストリア内のイベントやコンサートなどが、3月いっぱい中止になりました(現在4月頭までに延長)。私の演奏会のあったスタジオも、メインで大きなジャズライヴを運営している会場のため、全公演の休止を余儀なくされています。当時、ここまで影響が大きくなるとは思っていませんでした。
    とても残念なことですが、早く終息することを願ってやみません。

  • ウィーンでの演奏会 – Brennkammer @ Porgy & Bess –

    今、ウィーンに来ています。

    朝鳥の声を聞きながらこの文章を書いていましたが、東京とは違った種類の鳴き声が聞こえます。そして、石造りの建物が多いせいでしょうか、残響が長く、とてもよく響いて聞こえます。日本でピアノを弾くときも、レッスンで「ヨーロッパの建物の中で弾くともっとよく響くから、それをイメージして弾くように」と言われていましたが、楽器だけではなかったのですね。

    こちらでもコロナウイルスの患者は増えており、最近まではどこかまだ他人事のような雰囲気がありましたが、差し迫った問題になってきたようです。先日ウェットティッシュや除菌用ハンドジェルを買おうとドラッグストアに行くと、その棚だけ空になっていました。

    さて、今週木曜日から土曜日までの3日間、20世紀前半~後半の音楽によるプログラムの演奏会に出演します。

    初日はコロラトゥーラ・ソプラノのアンナ・イーリンクと、リゲティやコーシャなどハンガリーの作曲家によるプログラム。2日目は私のソロで武満徹や一柳慧、メシアンなどを弾きます。3日目はフルートの齋藤志野ちゃんと一緒に、尹伊桑や吉松隆などアジア文化圏の曲を中心に演奏します。

    https://www.porgy.at/events/9784

    https://www.porgy.at/events/9785

    https://www.porgy.at/events/9786

    久しぶりの室内楽ですが、素晴らしい仲間と共に演奏できるのがとても楽しみです。 

  • 風刺画の中のピアニスト

    皆様、新年おめでとうございます。
    本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

    さて、今回は19世紀ドイツの風刺画家ヴィルヘルム・ブッシュによる絵物語「ヴィルトゥオーゾ」をご紹介します。

    出典:https://www.paganino.de

    ある名ピアニストが、新年にプライベート・コンサートを開きます。涙を誘うような物悲しい曲から荒れ狂う超絶技巧まで、卓越した演奏を多種多彩に披露し客を驚嘆させます。曲想によって目まぐるしく変わるピアニストの演奏姿と、隣に座る客の反応がなかなかユーモラスに描かれています。
    (私だったら、実際には弾かず物真似だけならこんな動作もできるかも…?でも14番はさすがに目が回ってしまいそうですね。)

    作者のブッシュは、この作品と同じ1865年に発表された絵本「マックスとモーリッツ」で特に有名で、近代のコミックの先駆者としても知られています。

    それでは、皆様にとって素晴らしい1年となりますように!

  • クリスマスコンサート くらら青葉台にて

    もうすぐクリスマスですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

    昨日はメディカルホームくらら青葉台にて、ミニコンサートをさせていただきました。
    曲目はショパンのノクターン第2番、シベリウスの「樅の木」、シューマン=リスト「献呈」、そしてチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」から行進曲、金平糖の踊り、花のワルツでした。

    バレエ「くるみ割り人形」はクリスマスイヴの物語で、この時期に頻繁に上演される定番の作品です。クリスマスコンサートでもよく抜粋で演奏されますが、童話のための音楽とは思えないほど芸術性が高く、特に第2幕のパ・ド・ドゥーは涙が出るほどの美しさです。

    私が今回演奏したのは、チャイコフスキー自身によるピアノ版に自分でアレンジを加えたものでした。ピアノ版では、オーケストラの原曲にある魅力的なパッセージの多くがカットされており、何だか味気ない感じがしたので、欲張って色々加えてみたのですが、必然的に難易度も上がってしまい…この2週間、スリル満点の準備期間でした。(笑)

    終演後、クリスマスにぴったりな、とっても素敵な花束をいただきました。

    皆様、どうぞ素敵な年末年始をお過ごし下さい。

  • リゲティの「Mysteries of the Macabre」

    早いもので、来週からはもう師走ですね。

    さて、来年3月にウィーンでソロと室内楽の演奏会があるのですが、練習中の曲の中にこんなものがあります。

    ハンガリーの代表的な現代作曲家、ジェルジュ・リゲティのオペラ「ル・グラン・マカーブル」の中の演奏会用アリアですが、なかなかパンチの効いた曲です。
    ソプラノ歌手との共演ですが、オーケストラパートを担当する私も弾きながら叫んだり、打楽器を口三味線で表現したり、紙を破いたり(笑)…と、常に混乱しながら地道に練習しています。

    合わせたときにどんな感じになるか、今からちょっと楽しみです。

     

  • ピアノ二台二手 – G. F. ハース「リゲティへのオマージュ」

    私はグラーツで現代音楽を勉強していたのですが、そのときの思い出のひとつがこちら。

    普通2台ピアノの曲は平行あるいは向かい合わせにして2人で弾きますが、今回は写真のような角度で配置して、両方の鍵盤を一人で弾きました。
    弾いたのはこの曲。

    George Friedrich Haas作曲「リゲティへのオマージュ」。
    少しずつ変化していく和音を20分間ひたすら連打し続ける、なかなかハードな曲です。
    手のポジションに合わせて座る位置を移動しなければいけないので、学校の事務室からキャスターのついた椅子を借りて演奏しました。

    この曲、よく聞くと何だか歪んだ響きがしませんか?実は、右側のピアノが敢えて1/4音低く調弦されています。2台のピアノで同じ音を弾いても、微妙にずれて聞こえるよう効果を狙っているのですね。

    作曲家によると、自分と奥様それぞれのピアノが同じ部屋に並べておいてあったそうですが、この調弦のアイディアを奥様に話したところ、「いいわよ、でも調弦を施すのはあなた自身のピアノにしてよね」言われたそう。それで自分のピアノが右においてあったので、右手側のピアノを調弦することになったとのことです。

    特殊な調弦は場合によって楽器に負担になることがあるので、普通の演奏会場ではなかなか許可が出ないこともあります。この曲を演奏したのは学校のホールでしたが、使用して良い楽器がきちんと決められていました。こういった曲の演奏は会場の理解もないと成り立たないので、貴重な体験をさせていただいたのだと改めて実感しました。

     

  • 絵の中の楽譜 – 音楽家が気になることその2

    よくポストカードやイラストに、楽譜がモチーフとして使われていること、ありますよね。それらを見かけると、つい「何の曲だろう?」と、その楽譜を読みたくなってしまいます。

    モーツァルトなどの誰もが知る名曲のこともあれば、全くもってでたらめなこともあります(笑)

    例えば下のチェロの絵。左上と右下に楽譜がコラージュされていますが、ここではベートーヴェンのピアノソナタ24番、25番、29番(ハンマークラヴィーア)が使われています。
    (Rosina Wachtmeisterという方の作品で、私が大好きな画家のひとりです。よく猫をモチーフにした作品を描いています)

    出典:art.com

    そして、こちらのポストカード。

    出典:www.happypostcards.de

    「雨の旋律」という何とも素敵なタイトルですが、使われている楽譜は…
     
    ラヴェルのスカルボ。

    月夜に照らされた部屋のなかで転げ回り、笑い声を立て、最後は天井高く伸びたかと思うと半透明になって、不意に消えてしまう…という悪戯好きな妖精。
    ピアノ曲の中でも難曲中の難曲として知られています。

    意図して選んだ楽譜ではないにしろ、イラストとのギャップに思わず笑ってしまった1枚でした。

  • 楽器を持つ手の左右 – 音楽家が気になることその1

    楽器を弾いている人だと、つい気になってしまうことのひとつ。
    広告などの画像で、時々楽器を弾いている手が逆のことがあるのです。
    例えばヴァイオリンやチェロなど、弦楽器は利き手に関係なく、必ず右手に弓を持ち、左手で弦を押さえ音程を取り演奏します。
    また管楽器で笛の穴を押さえるとき、左手が上に来ます。

    これが、時々逆に描かれていることがあるのですが、楽器に詳しい人が見るとついつい気になります。

    自宅にも、楽器を演奏する人の刺繍の額縁がかかっているのですが、これは私が子供の頃から見慣れていたせいか、つい先日まで気づかなかったことにかなり衝撃を受けました…。(画面右2人です。)

     

  • あおば音楽ひろば (続き)

    先日のあおば音楽ひろばの終演後、もう一人のお客様からいただいたプレゼントがこちら:

    ピアノの器に入った、とても可愛らしいプリザーブドフラワーのオーナメントです。
    パステル画やオルネフラワーなどでも素敵な作品を制作されているアーティスト様で、海老名市にて教室 “Atelier Angelico” を主宰していらっしゃいます。