• 「北欧の神秘」展

     数週間前の話になりますが、SOMPO美術館の「北欧の神秘」展に行ってまいりました。

     ノルウェー、スウェーデン、フィンランド3か国の絵画を特集した展覧会で、神話をもとにしたもの、自然の風景や街並みなど、様々な時代の名画が展示されていました。

    私が初めてフィンランドを訪れたのが2019年6月、オーストリアから完全帰国する約2週間前のことでした。そこで初めて行った場所がアテネウム美術館でしたが、今回展示されていたフィンランドの作品の大半がアテネウム美術館所蔵のもので、懐かしく思い出しました。

     オーストリアに留学したはずが、ふとしたご縁からフィンランドの作品も演奏するようになったのですから、不思議なものです。

    さて、今年9月には再び横浜市青葉区の「あおば音楽ひろば」 へ出演させていただきます。今回はコダーイの「マロシュセーク舞曲」などを演奏する予定です。

    国を問わず、演奏していきたい素敵な曲がまだまだ沢山あるので、今後も幅広く演奏していきたいと思います😊

     

  • 松濤美術館「エミール・ガレ展」内覧会

    先日、渋谷区立松濤美術館にて開催中の「エミール・ガレ展」の内覧会に行ってきました。

      

    今年はフランスのガラス工芸作家、エミール・ガレの没後120年にあたります。今回は個人所蔵の作品が多く、ただ美しいだけではなく、影のある作品、昆虫や海の生物をモチーフとした作品、ジャポニズムの影響を受けたものなど、ガレの作品の色々な面を見ることができました。植物や草花、風景をモチーフとした作品で知られていますが、自然の生命力ををそのまま器に閉じ込めたような印象を受けました。

    さて、5/19(日)、同展覧会の関連イベントとして、ピアノコンサートに出演いたします。植物や風景、また詩句をモチーフとして用いたガレの作品に合わせて、同時代のピアノ作品から、同様に自然をテーマとした楽曲をトークも交えてお届けいたします。

    お時間、ご興味のある方、是非お越しいただけますと幸いです。なお、お申込は4/26(金)必着、応募者多数の場合は抽選となるそうです。詳しくは美術館ホームページをご覧ください。

  • カレリア映画上映会

    今年は心なしか、時が経つのがいつになく早く感じられます。慌ただしい年の瀬、皆様いかがお過ごしでしょうか。

    先日の室内楽演奏会の記事で年内は終わりにする予定でしたが、もうひとつだけ。

    先月下旬には友人に誘われ、カレリア映画の上映会に出かけてきました。 フィンランド南東に位置するカレリア地方の伝統、言語そして文化を継承し広める目的で制作された短編映画です。全部で3作からなり、今回は第1作、第2作が上映されました。

    それぞれ婚礼と葬儀という伝統儀式をテーマにした2つの映画の中では、少数言語であるカレリア語が話され、美しい伝統衣装も象徴的に使われていました。映像や音楽、ストーリー性のある表現のどれもが美しく、とても心を動かされました。

    どちらの儀式においても「現世と来世を行き来する」概念があり、日本のそれとどことなく似ていると感じました。どこの国においても、古来からの伝統儀式はそのような概念と結びついているのかもしれませんね。

    現在制作中の3作目は来年フィンランドで公開、日本では再来年頃公開される予定だそうです。ご興味のある方、是非ご覧ください。

    https://ja.karelianfilms.com

     

  • ミロ展

    先日、渋谷で開催されているミロ展に行ってきました。

    今回の展覧会はミロと日本との関係に焦点を当てた企画で、彼の日本から影響を受けた作品、彼の所持していた日本の民芸品、批評家の瀧口修造との交流など、大変興味深い展示がたくさんありました。

    シュールレアリスムの画家として知られるミロが、早くから日本やその文化に興味や憧れを持っていたことは全く知りませんでした。

    ヨーロッパに日本文化が紹介された当時の作品には、浮世絵や扇子などわかりやすく日本的なモチーフの入ったジャポニズム的なものもありました。しかし後年、実際に日本と交流を持つようになってから、「日本の文化から受けた刺激を、彼なりに時間をかけて昇華させた」作品の数々がとても印象的でした。水墨画を思わせるような絵画や巻物(!)など、彼独自のスタイルが違和感なく日本風のものと融合していました。

    また彼は、生涯を通して絵画だけでなくコラージュや彫刻、文学、また他分野との共同制作など、多彩な表現の可能性を追求した人でもありました。日本からの影響を受けた作品も、そんな作品の中の一つだったのではないかと思います。

    数々の作品を見ながら、私が留学中に訪ねた、スペインのマヨルカ島にあるミロ財団の美術館を懐かしく思い出しました。

     

     

     

     

    ※ちなみに、ミロの絵画からインスピレーションを得たピアノ曲を、以前の記事で紹介させていただいています。宜しければご覧ください。

     

     

  • 最近のこと: 展覧会・展示会

    あっという間で、もうすぐ2021年も終わりますね。

    今回は、ちょっとピアノから離れて、最近のことについて書きます。

    今年、特に秋に緊急事態宣言が解除されてからは、展覧会に興味が向き、時間を見つけて足を運んでいました。もともと絵画を見るのが好きで、旅行に行くと必ずその土地の美術館に行くのですが、普段生活の中ではなかなか「行こう!」という気持ちと予定などタイミングが合わず…。

    書きたいと思いながらいつの間に時間が経ってしまっていたのですが、最近行ってきた中でなかなか興味深いと思ったのが、世田谷美術館のコレクション展「ART/MUSIC」。

     横尾忠則や草間彌生、主に20世紀半ば以降の、音楽からインスピレーション得た作品、また音楽と深い関わりのあった画家たちの作品や、LPジャケットや書籍などの関連資料が多数展示されていました。(アマチュア音楽家であったルソーの楽譜も!)

    音楽との関連ということで、何となく比較的穏やかなものを勝手にイメージしていたのですが、メインは激動の時代をじかに反映する、ロックやポップ、テクノ系の音楽から影響を受けた作品。それぞれの作家の強烈な個性とメッセージ性、その表現の自由さにただただ圧倒されました…。(サティの作品が収められた、高橋アキのLPジャケットなど、一部クラシックもありました)

    まだ始まったばかりで、2022年4月10日まであるのでご興味のある方は是非!

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    さて、もう一つは以前ご紹介した陶芸家・吉田知世さんと、華道家の瀬尾理祥さんとのコラボレーション「花と小さなうつわ展」。

    花器を中心とした展示と、生け花を基にした、すてきなお花の生け方のワークショップでした。

    ご自身も華道の経験のある吉田さん。シンプルな形でありながら、釉薬や色彩によって温かさを感じさせる繊細なデザインの器は、どのお花にもとても良く合っていました。

    私もワークショップに参加し、瀬尾さんのご指導のもとお花を生けてみました(というより、先生に生けていただきました 笑)。

    来年も、ピアノや音楽と並行して、様々な文化に触れたいと思います。

    皆様どうぞ良いお年を!

  • 陶芸家、吉田知世さんの「波間のあや 展」

    昨日は、私がオーストリアのリンツで勉強していたときにお会いした陶芸家、吉田知世さんの個展「波間のあや 展」を見にいきました。

    笠間の土で作られた彼女の器は、均整なフォルムに、波や雨を思わせる模様や 柏の葉の模様、そして淡いグラデーションの層があしらわれ、細やかな感性を感じさせました。

    淡い水色やベージュの器が、築80年の古民家の和の空間にしっくりと馴染み、穏やかな時間の流れに癒されました。空間演出のスペシャリストでもある、彼女ならではの個展だったと思います。

    リンツ、笠間での修行を経て、現在は横浜と鎌倉を拠点に活動されている吉田さん。今後の活躍をお祈りしています!

     

     

    (出典: https://www.tomoyo-yoshida.com/)

  • 鳥が好き。その2 – 鳥のコンチェルト

    先月紹介したNRK(ノルウェー国営放送)の鳥の番組で、巣箱の中の様子も放送していたのですが、2、3日前に卵から雛がかえったようです!大きな口を空けて親鳥を待つ様子、とってもかわいいです♪

    さて、鳥をモチーフにした曲はたくさんあるのですが、その中に鳥たちがソリストを務める「鳥の協奏曲」なるものがあります!
    フィンランドの作曲家ラウタヴァーラによる「Cantus Arcticus」という曲で、鳥の鳴き声を録音したテープとオーケストラを共演させています(楽譜に、テープを流す箇所が指示されています)。
    ピアノ版があったら、弾いてみたいところです…。
    (2025/03/15 追記:ペーテル・ルンクヴィスト氏によるピアノ編曲版が出版されています。)

    最後に、鳥がソリストを務める動画をもうひとつ…。
    言わずと知れたモーツァルトの「夜の女王のアリア」です。ビブラートが様になっているところがさすがです…(0:33あたりから。

  • 鳥が好き。その 1 – ノルウェー国営放送の番組「Alltid Sammen」

    皆様いかがお過ごしでしょうか。

    なかなか自由に外出できない日が続きますが、最近私が家にいるときによく見るサイトがこちら↓

    https://www.nrk.no/alltidsammen/?active-stream=be59f00a-bacc-4062-827b-cbce6e2c4af7

    ノルウェー国営放送の番組で、バードテーブルや巣箱を24時間映し、鳥やリスが餌を食べにやってくる様子を放映しています。色々な種類のかわいい鳥の姿と鳴き声にとっても癒されます。

    少し前までは室内の猫のバージョンが放送されていましたので、今後また違う動物シリーズが始まるかもしれないですが、鳥が好きな私にとっては今のシリーズが長く続いてほしいな…と思います。

    鳥といえば、3月の演奏会でもメシアンの「鳥のカタログ」、そして吉松隆の「デジタルバード組曲」など、偶然にも鳥を題材にした曲を選んでいました。さて、次は何の鳥の曲を弾こうかな…。

    写真は、イタリアのトラーニという町にて。構図がいい具合に撮れたので気に入っています。

     

  • 風刺画の中のピアニスト

    皆様、新年おめでとうございます。
    本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

    さて、今回は19世紀ドイツの風刺画家ヴィルヘルム・ブッシュによる絵物語「ヴィルトゥオーゾ」をご紹介します。

    出典:https://www.paganino.de

    ある名ピアニストが、新年にプライベート・コンサートを開きます。涙を誘うような物悲しい曲から荒れ狂う超絶技巧まで、卓越した演奏を多種多彩に披露し客を驚嘆させます。曲想によって目まぐるしく変わるピアニストの演奏姿と、隣に座る客の反応がなかなかユーモラスに描かれています。
    (私だったら、実際には弾かず物真似だけならこんな動作もできるかも…?でも14番はさすがに目が回ってしまいそうですね。)

    作者のブッシュは、この作品と同じ1865年に発表された絵本「マックスとモーリッツ」で特に有名で、近代のコミックの先駆者としても知られています。

    それでは、皆様にとって素晴らしい1年となりますように!

  • 絵の中の楽譜 – 音楽家が気になることその2

    よくポストカードやイラストに、楽譜がモチーフとして使われていること、ありますよね。それらを見かけると、つい「何の曲だろう?」と、その楽譜を読みたくなってしまいます。

    モーツァルトなどの誰もが知る名曲のこともあれば、全くもってでたらめなこともあります(笑)

    例えば下のチェロの絵。左上と右下に楽譜がコラージュされていますが、ここではベートーヴェンのピアノソナタ24番、25番、29番(ハンマークラヴィーア)が使われています。
    (Rosina Wachtmeisterという方の作品で、私が大好きな画家のひとりです。よく猫をモチーフにした作品を描いています)

    出典:art.com

    そして、こちらのポストカード。

    出典:www.happypostcards.de

    「雨の旋律」という何とも素敵なタイトルですが、使われている楽譜は…
     
    ラヴェルのスカルボ。

    月夜に照らされた部屋のなかで転げ回り、笑い声を立て、最後は天井高く伸びたかと思うと半透明になって、不意に消えてしまう…という悪戯好きな妖精。
    ピアノ曲の中でも難曲中の難曲として知られています。

    意図して選んだ楽譜ではないにしろ、イラストとのギャップに思わず笑ってしまった1枚でした。